このため、総選挙を意識せざるをえない与党は、できるだけ早く格差解消の具体策を示したかったのであろう。
今回決定された内容には、以下に述べるように多くの問題がある。
2008年度予算編成でバラまきが懸念されていたとはいえ、あまりにひどい内容だ。
「ふるさと納税」は茶番にすぎず、公共団体の税収に大きな影響を与えることはないだろうが、今回の措置の影響は大きい(東京都の場合、3000億円程度の減収になると予測されている)。
ここでは、次の4つの問題を指摘したい。
第一は、公共団体間の財源調整の仕組みとしてすでに存在する地方交付税との関係だ。
なぜ現行交付税の配分基準を見直すことでは対処できないのか。
これに加えて新しい税をつくる必然性は何なのか。
こうした点について、納得できる説明がなされていない。
このような結果となった実際上の理由は、省庁間の利害であろう。
すなわち、仮に交付税で調整しようとすると、その総額を増やすべきだとする要求が起こる。
ところが、国の歳出を増やすことになるので、Z務省が反対したのであろう。
このような事情が、国税と地方税の違いをあいまいにする奇妙な妥協案を生んだとしか考えようがない。
第二に、地方自治の本旨に背くものだ。
KJ内閣の「三位一体改革」は、具体的内容に問題があったとはいえ、「地方分権の推進」という方向自体は正しかった。
それに対して今回の施策は、各地方公共団体の独自の税収であるはずのものを、国が介入して配分し直そうというものだ(形式的に見ても、地方税を減らして国税を増やそうというものだ)。
地方分権とは正反対の方向である。
実質的に見ても、本来は地方公共団体の努力で対処すべき問題を、国に依存することで解決しようとしている。
格差問題に対処する方法としてはまことに安易なものであり、「地方自治の自殺行為」と言わざるをえない。
こうして、地方が国に依存する体制がつくられた。
戦時経済の要請から行なわれた改革だが、現在まで続いているわけだ。
地方が国に依存する傾向はむしろ強まっている。
第三に、新設される税の名目上は国税だが、実質的には地方税だ。
ところで、地方税は、地方公共団体が提供する行政サービスの対価としての意味を持っている。
つまり、「応益課税」が地方税の原則だ。
戦前の日本は地方が財政的に独立しており、自主性が強かった。
ところが1940年度の税制改革で所得税の強化と法人税の新設がなされ、それらを財源として地方財政調整交付金制度がつくられた。
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