3分でわかるアルバイト探し

彼女は「一人一杯」ということで配っている湯豆腐を3つ欲しいという。 お父さんとお母さんは死んでしまった。
今、本当に社員が幸せな会社体育館でおじいちゃんとおばあちゃん、そして妹が待っている。 自分の分はいらないから、3人の分だけもらえないか。
その話を聞いたKB社長は、手許にあった段ボールで小さな箱を作り、4つの発泡スチロール製のどんぶりを納めて少女に渡した。 社員たちは死にものぐるいで、それこそ不眠不休で湯豆腐を作り、配りつづけた。
湯豆腐を渡した相手は数千人にも上るという。 やがて持って行った材料が全てなくなって、福井に帰るときがきた。
米原まで戻ってきたとき、自分たちも腹が減っていることに気がついた。 そのときの立ち食いうどんがおいしかったという。
あとで知ったのだが、民間企業による炊き出しでは全国一の早さだったとのこと。 KB社長は言う。
「目標があれば方針が立ち、頑張ることができるのです。 課題に関してできない理由を並べてはだめです。
どうしたらできるかが大事なのです」。 「損得抜きで命がけで取り組む」というこの貴重な体験により、社員は目に見えて変わったという。

幸伸食品はなんのために存在するのか、ということの意味を、みんなで共有できたのだった。 「願ってもないような」有能な人材が集まる理由豆腐の創作料理と豆腐を素材にした食品販売のお店「永平寺禅どうふの郷幸家」を開店したのは2002年のことである。
「幸家」は今では年間7万人を超えるお客がやってくる福井県有数のお店になっているが、なんとお客の90%以上がリピーターだという。 永平寺の門前にほど近いのだが、地元のお客がたくさん来るのだ。
観光地もテーマパークもレストランも、リピーター客があるところだけが栄えるのはいうまでもない。 従業員の熱心さが伝わるのである。
店先で見ていると、たしかにお客の側か「ありがとう」と言っている。 幸伸食品を設立してからしばらくの間、KB社長に休日はなく、毎日2、3時間しか寝る時間がなかった。
機械を遊ばせることはできなかったし、何より製品の工夫に心血を注ぐ日々だったからである。 最初の休みを取ったのは、「幸屋」を立ち上げる前のことだった。
社員を集め1ヵ月間の休暇と外国旅行の計画を発表した。 外に出て自分を見つめ直したいという思いがあり、フィンランドなど北欧をめぐる旅に出かけた。

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